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2023.04.21

青汁を再定義する

青汁を再定義する

Googleで「青汁とは」で検索すると、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』のサイトが上位にあがってくる。青汁について次のように書かれている。

青汁(あおじる、英: Aojiru, green juice)とは、ケール、オオムギ若葉、アシタバ、モロヘイヤなどの緑葉植物やクロレラなどを細かくくだき、しぼって作る汁をさす。いわゆる健康食品の俗称であり、詳細な定義はない。

そう、詳細な定義はないのです。最近の青汁はしぼって作る汁ではなく、乾燥して細かく砕いた粉末であり、緑葉植物の食物繊維がそのまま含まれているものが多く、特に大麦若葉を乾燥粉末にした青汁を多く見かけます。

ここで青汁を「緑葉植物を乾燥し細かく砕いたもの」と再定義した場合、古くは抹茶もそれに該当するのではないでしょうか。抹茶は歴とした青汁であり、すでに平安時代には青汁が飲まれていたということになります。

草餅に使われるヨモギも青汁のひとつと考えられます。生長したヨモギを干したものは艾葉(がいよう)という生薬で、漢方では止血、沈痛、下痢止めなどの目的で利用されてきました。これも古来より伝わるりっぱな青汁です。

青汁と言えばオオムギ若葉やケール、明日葉、などの素材が取り上げられますが、この様に再定義することで、緑葉植物を利用してきた歴史から、あらたな青汁の姿がみえてきます。実は身近で、気付かないうちに青汁を摂取している。
大切なことは「青汁」という飲み物ではなく、植物と向き合って食することだと感じます。